When I'm Singing | Red Mitchell
When I'm Singing | Red Mitchell
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spotify には無い
Red Mitchell / When I'm Singing (1982)
Red Mitchell (vo,pf,b)
レッド・ミッチェルの一人多重録音ジャズ。82年にジャズで多重録音をしてそれをちゃんとしたクオリティでレーベルから流通させてるって一体どういうこと?となる一枚。
ボーカル、ピアノ、ベース、どのパートから録音したのか全然わからん。クリックは使ってないだろうけれど自分同士ならタイミングも合わせられるものなのだろうか。ビル・エヴァンスは1963年にピアノの多重録音である『自己との対話』を出してはいる。出してはいるが……
くつろいだ宅録かと思いきやなかなか真剣な一枚。ボーカルがメインの人間ではないので歌唱力が足りないのはご愛嬌だがベースもピアノも達者な人間だけあって歌心はしっかりとしている。
ニュージャージー州出身、50年代は西海外のジャズでの活躍が顕著であるが68年にはスウェーデンのストックホルムに移住し、毎年3ヶ月ほどにアメリカに訪れては演奏共演しストックホルムへ帰っていたそうだが。こうしたスウェーデンでの活動によってスウェーデン・グラミー賞を授与されており、レッド・ミッチェルは実は優れたベーシストであるだけではなく優れたソングライターでもあるという話に繋がってくる。このアルバムに入っている楽曲は全曲レッド・ミッチェルが作詞作曲したものであり、ジャズメンでありながら完全なシンガーソングライター宅録(スタジオだが)アルバムなのである。変なアルバムだな!
66年以降コントラバスのチューニングをチェロの1オクターブ下の5度チューニング(普通のベースはギターの1オクターブ下の4度チューニング)にしており、それだけでもちょっと普通じゃないのだが、このアルバムを知ってレッド・ミッチェルの多才ぶりと変人ぶりを改めて感じた。なんなんだこいつは。